映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の足跡 ビギニング」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・パーカー監督の「恐怖の足跡 ビギニング」に

 感謝を捧げようと思います。


恐怖の足跡 ビギニング [DVD]
WHDジャパン
2008-09-05

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 狂気に取り憑かれ、夜の町を彷徨う女性の

 運命を描いた本作は

 見世物的且つクールな恐怖に彩られた怪作であります。

 「語り部」以外の台詞を排除する事によって

 状況設明を極限まで抑制し

 サスペンス+ホラー的映像表現によって

 呪われた環境と過去の罪が生んだ「悪魔」によって

 崩壊していくヒロインを写し出していくという試みは

 私に「映画的手法で恐怖の源に迫っていく」実験と

 純文学性と大衆娯楽性の共同戦線を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (1961年の映画「恐怖の足跡」が持つ

 「秘めたる教材性」に便乗した邦題と

 現実と悪夢の境界線を曖昧化することによって

 真実と記憶の関連性に迫る幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級映像派恐怖論」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 猟奇的且つ幻惑的な映像、台詞なき人間模様

 奇襲的に「ヒロインの過去」を暴露しつつ

 要所は曖昧化する手法によって

 後年のサスペンス&ホラーに対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を。

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